大判例

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広島高等裁判所岡山支部 昭和25年(う)853号 判決

職権をもつて原判決を調査するに、原判示第二(一)の事実につき罪となるべき事実の認定がこれをもつて足りるや否や疑いなきを得ない。

けれども、これはしばらくおきその証拠として原判示第二の事実認定に引用したものの中、田中清提出の始末書があるが、右始末書については原審において取り調べられた形跡がないことは勿論、本件記録中にこれが存在を認めることができない。もつとも訴訟記録を精査すれば米沢徳貞提出の始末書がこれにあたるかを思はせる点もないではないけれども現行訴訟法が証拠説明において、特にその標目を掲げることをもつて足りるとしたことからいつても、証拠の標目に掲ぐるには、少くともその証拠を特定するに足りる程度に掲げない限り違法というべく結局原判決は虚無の証拠を採用して事実を認定したものといわざるをえない。本件控訴は結局理由あるに帰し控訴の趣旨については判断するまでもなく原判決は破棄を免れない。

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